生麦事件が幕府崩壊、明治維新成立の上できわめて重要な意義を持つものであるのを知った。この事件なくしてあのような形での大革命はありえなかったことを強く感じたのである。 〜作者あとがきより抜粋
[内容]文久二年9月14日、横浜郊外の生麦村でその事件は起こった。薩摩藩、島津久光の大名行列に騎馬のイギリス人四人が遭遇し、このうち一名を薩摩藩士が惨殺したのである。イギリス、幕府、薩摩藩三者の思惑が複雑に絡む賠償交渉は難航を窮めた。
生麦村の事件から十ヶ月・・・イギリスは艦隊を鹿児島湾に派遣し戦闘の火蓋が切られる。勝敗は明白と思われたが、艦長の戦士などイギリス軍は甚大な被害を受け、国内外の世論の批判にもさらされた。一方、世界の技術力を身をもって知った薩摩藩は講和を決断するが、そこにはある目論見があった・・・
[感想]あとがぎに吉村さん自身が書かれているように、この生麦事件を基点に明治維新までにいたる六年間はまさに歴史が動いた激動の時だったといえるでしょう。
吉村さんの小説は多くの資料や、研究をもとに小説化されているそうですが、登場人物への肉付けのすばらしさには驚嘆します。たんたんと筆を進めているようでいて、作者の感情のほとばしりのようなものも垣間見ることが出来、物語に引き込まれていきます。
幕末は非常に複雑で理解するのが難しく思っていたのですが、この本を読んで、薩摩、長州、幕府の意図や動きが分かり僕自身なるほど!と思わされることが多かったです。
テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌
- 2006/01/05(木) 04:39:17|
- 歴史物
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